…いらない。 そんな、ついでみたいな言い方で。 しょうがない、みたいな言い方して。 そんな気持ちなら欲しくないよ。 「…稚早、」 「聞きたくない、です」 何も言わないでください。 あたしと先輩の間に冷たい風が吹く。 今すぐにでもここから離れたいのに、何を思ったのか、しゃがみ込んでしまったあたし。 ポロポロと涙がこぼれてきっとひどい顔。 「稚早」 耳を塞ぐ。 それでも、先輩が大きくため息をついたのがわかった。