『玄関で待ってて』 授業中に来た先輩からのメール。 最近、一緒に帰ることが増えた。 モヤモヤは晴れていないままだったけど 「お待たせ」 「先輩っ」 先輩に会えば、とりあえず元気になっちゃうあたしは単純だね。 モヤモヤは後回し。 駅前のカフェに行きませんか?って誘ってみようかな、とか考えてた。 靴を履いて外に出ようとした、その時。 「稚早!」 誰かなんて聞かなくてもすぐに分かる。 突然の後ろからのその声に、あたしは条件反射で、そして先輩も一緒に振り向いた。