会話は無いに等しい。 仕事をする俺への配慮なのか、彼女は滅多に部屋に入らない。 ただ、毎日彼女はコーヒーを入れてくれる。 それを飲むとほっとするんだ。 …そんな、ちょっとした気持ちを言うこともしなくなったが。 コンコン ドアをノックする音で、今日も彼女が来ていることを知る。 返事も聞かずに開いたドア。 その瞬間、いつもとは違うと思った。