君プラトニック



次の日の昼休み。

当たり前のようにあたしは先輩のところに来た。


ちなみに冬の間は屋上じゃなくて、3階にある小さい教室で過ごしてる。

相変わらず先輩は寝てばっかりなんだけどね。




「先輩」

「何」

「……やっぱり何でもないです」




バレンタインが3日後に迫って、先輩にリサーチをしようとしてるのに…

聞きたいことはあるのに聞けないまま、今日まで来ちゃった。


机に突っ伏して(たぶん)寝ている先輩に近づいてみる。
すると先輩は顔を上げた。

先輩とあたしの唇が触れる。


小さく笑った先輩に、何も言わずにあたしも笑顔を返した。



嬉しい、でもちょっと悲しい。

…幸せ、でもちょっと寂しい。


こんなに好きなのに。
大好きだから、先輩にはたくさん伝えてるのに。



『先輩の彼女になりたい』


あたしの願いはまだ叶っていない。