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「誕生日おめでとう」
「ありがとう」
日にちなんてすぐに過ぎていくもの。
榊に送ってもらい、レストランで彼とディナーの日。
もちろん、彼は私を一番に考えてくれているから、バレンタインより誕生日のお祝いが先。
笑顔でプレゼントを受け取ったら、いれかわりに彼にチョコレートを渡す。
私と違って100%の笑顔を、彼は返してくれるの。
彼は真っ白。
私は真っ黒に近い灰色。
交われば、私も白になれるかしら。
「…ごめんなさい。少し気分が悪いの。今日は帰らせていただいてもよろしいかしら?」
淡々と嘘が言えるようにまでなってしまったわ。
そんな、本当に心配そうな顔をしないで。
罪悪感なんてものを、私は感じてないんだから。
送るよ、という彼の好意を断って榊を迎えに呼んだ。

