君プラトニック



私の人生の中の2年なんて、あっという間。


婚約中のあの方の方が長いお付き合いをしているのに。

彼と過ごした時間や、それまでの思い出がすべて吹っ飛んでしまうくらい。


榊との出会いは、私にとって衝撃的だったの。



…私も、つくづく嫌な女。

彼に渡すチョコレートを、まさか執事に作らせるなんて。


去年が初めてだったけど、彼はすごく喜んでくれたのよ。
それまでは買ったものだったのが突然手作りになって、しかもとてもおいしいんだもの。


でもね?
私は手作りとは言っても、『私の』とは言ってない。

彼は今年も楽しみにしてくれているのだから“手作り”をプレゼントするわ。


期待を裏切らないようにする私って健気。



黒にはなりきれないのね。