「リュウくん、ハッピーバレンタインだよ」 リュウくんの表情が一瞬で明るくなった。 あたしもそれを見て、自然と頬が緩む。 箱を受け取ったリュウくんはゆっくりと包みを開いていく。 中にはハート形のチョコレートが5個。 リュウくんはとっても嬉しそうにしてるけど、1つだけ忠告するね? 今年はちょっと趣向をこらしてみたんだ。 「リュウくん。5個のうち、1個だけ毒が入ってるの」 もちろん、あたしはリュウくんに毒入りのチョコレートを食べてほしいんだけど。 まぁ、それは言わない。