お母さんは決まって、私を違う部屋で寝かせた。 夜遅くになると襖越しの隣の部屋がガタガタ音をたてていた。 「サトル…」 お母さんは、毎晩苦しいうめきに近い声で、新しいお父さんの名前を呼んでいた。 私は思わず、耳を塞いだ。 大丈夫。あと少しで あのお父さんはいなくなるから。