あぁ。

そうだ。

あれから私は幸平を毎日のようになじった。
すべてを幸平のせいして。

毎日謝る幸平を不潔だといった。

一生懸命子供の為に頑張った私を認めて欲しかった。


しかし、すべて私のせいだったんだ。


妊娠が分かるとセックスを拒み、無知だった私が知らずに頭痛の薬を飲んでいて、それでも幸平は毎日毎日私に許しを求めていた。

心の傷を幸平が癒せる訳がないと思っていたのに。

本当に許してもらわければいけないのは私だ。

私は誰に許しをもらえばいいのだろう。



『少し、・・・・・・・・・・・・・外にでてくるわね。』

玄関の扉をあけ、どこへでもなく沙雪は歩き出した。

沙雪はグッと顔を上げて歩いた。

誰かではない、自分が自分を許せるようになるまで家に帰る事はできない。





end.........