「龍、おはよう。」
今日も病院に来ていた。学校は事情があるということで休学させてもらった。両親もそれを許してくれた。
「今日はね、優李とカナタが一緒に来てくれるって。よかったね。」
私は今日も目を覚ます事のないあなたに笑って話しかける。ずっと、ずっと話しかけてる。
テレビの話や音楽の話し。家族の話や友達の話し。面会時間が終わるまで絶えず話しかけてる。
いつか龍が目を覚ました時に私が話しかけてた事ちょっとでも覚えてくれればいいな。夢の中に出てきててほしいな。
だけど、そんな私の願いが叶うこと日はこなかった。

