「すみません。ここの患者で和泉龍って人いますか?」 カナタが看護師さんに尋ねている。私はそれをただボー・・・っと眺めているだけ。 「和泉龍・・・ですか?今調べますね。」 「はい。お願いします。」 「あ、いますね。先ほど手術が終わりましたので・・・。301号室ですね。」 「ありがとうございます!」 「ですが・・・和泉様は・・・」 「え?」 「いえ、何でもありません・・・。」 「・・・?そうですか。じゃあ急いでますんで。」 そう言いながらカナタは私の手を引いて病室へと向かった。