夜獣-Stairway to the clown-

「課題出てたかな」

カバンの中身は決して出さずビスケットにだけには手が進む。

しばらくすると、ビスケットの容器は空になっており、満タンに入っていたので相当食べたことが解る。

「のどが渇いたな」

思い立ったが吉で、一階に行きリビングへと入る。

「何かあったかな」

冷蔵庫を開けるものの、飲み物という飲み物がない。

お茶は作り忘れて、そのほかの飲み物すら買い置きしていない。

水道水を飲もうとしたけど、腹を壊すのも嫌だと思うし、お茶を作る気はない。

「面倒くさい」

のどの渇きを癒すのは飲み物以外に何もない。

そういえば、アキラの部屋に酒があったけど、飲んでしまえばアキラの嫌がらせが三日三晩続くことになる。

「買いに行くしかないか」

一度二階に戻ると、服を着替え外に出る準備をこなす。

玄関から出た時には、夕日が沈みかけている。

家から3分行った程度の場所にコンビニが一軒あり、ほとんどの人がそこを活用している。

他にもスーパーなどがあるけど、8時には閉まってしまうしコンビニよりも遠いためそんなに行く機会はない。

コンビニは24時間開いてるから真夜中に来ることさえあり、活躍してるといえよう。

近所の説明など胸の中で語っていても仕方ないので、さっさと歩いて向かうことにした。

公園を過ぎ、コンビニにつくと明かりがついており、そこだけ一際目立っているようにも見えた。

店内は少し涼しく春だというのにも関わらず、電気代節約の文字も無視してクーラーがついている。

他には数人の客が来ており、立ち読みをしていたり弁当を眺めていたりしている。

雑誌は封がされていないので、自由に立ち読みが出来る。

ただし、長時間立ち読みすれば追い出されかねない。

今の目的はあくまでジュースという潤いを求めてきたわけだから、冷蔵ケースの前に急ぐ。

酒やジュースなどいろいろ置いてあるけど、ジュースでなくてはアキラの飲酒検問に引っかかるだろう。