夜獣-Stairway to the clown-

そろそろ何か答えがあってもいいと思いながら開けると、勉強机とぎっしりとつまった本棚がある。

少し興味が湧いて本棚から本を抜いて見てみるがとても興味が削がれる。

心理学の本や数学の本、悪魔学や魔術などの本などもそろっている。

少し興味を惹かれたのが血のことに関しての本であった。

手にとって見てみると、字が小さく難しい漢字などがずっしりと並んでいる。

一瞬めまいに襲われたが、本を閉じたことにより回復する。

「ふう、こんな本を読めるのか」

乾にこんな小難しい本を読むほどの知能があるというのか。

自分はあることをふと思い出す。

(秀才といえば犯人も天才に近い人物だと言っていたような気がする)

本を元の棚に戻し、手がかりを探すことを再開する。

本に挟むことは探すのに時間がかかるので却下だろう。

後は机の上と中しか調べる場所はない。

机に近づくとなにやら研究資料やそれに関するノートなどがつまれてある。

少し気になり研究資料を覗いてみると、本棚にもあったような血に関することが題してある。

乾はこうまでして血に拘る理由は何なのか。

嫌な予感はどんどんと深まっていく。

僕と雪坂の話を聞いていたのではないのだろうか。

あの場所に近寄る人物などそうそういないとは思う。

不安が膨れあがるけど、決定的な証拠が無い限りはどうしても攻めに講じることは出来ない。

時間はあるかどうか携帯を見てみると、ここからだと余裕はあった。

焦りはあるが、血の研究資料がとてつもなく気になり開くことにした。

そこには膨大な血に関する知識がある。

成分の何から何までそこに乗っている。

一つ気になったのが、血に作用する力と題された一文である。

『血液中に潜む未知なる力は地球の人間には持ちえないものがある。それは自分の血にも潜んでいることが研究の結果分かった。この力を応用すればさらなる飛躍が出来ることは間違いない』

その一文を読んだだけで大体の事情は飲み込めた。