空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜




『…な? こんな人間の男より、俺の方がええとおもわんか? な?』





リュウは、今度は、すうっと、わたしの後ろに来て



予測不可能に、わたしの肩を抱いて言った。



ぎゅっと、肩を抱きしめられて、耳元でささやかれる。




ぞくぞくぞく〜……へ?



リュウのやまびこのように震える


独自の声が、くすぐったい。




えと?


わたしは、またフリーズ。



目が点になる。





バシ!




手をはたく音で、今度は目を見開いた。



大ちゃんが、これでもかってくらい



振りかぶって



リュウの手の甲を


なんの遠慮もなく



ひっぱたいた…。




リュウの腕は、わたしから少し離れて…。



にらみ合う



大ちゃんとリュウ…。