空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜

目が離せないまま、わたしたちは後ずさる。



そう、目が離せない。



きれいな景色を見たとき、もう帰らなくちゃいけないけど、名残惜しい


みたいな…




だけど、距離を取るのはしっかりと、忘れなかった。




『――止まれ』




さっきよりも、低く大地を響かせるような声で言われた。



後ずさっていた足が、一歩も動けない。



痺れて感覚がなくなったように、自分の体なのに、自由に出来ない。



こんなの…っ!?



どういうことー?!





『大事な話があるんや。逃げんと、ちゃんと聞くか?』




どこか、切なげに眉をひそめるその表情を、こんな時でもみとれていたのは、わたしだけじゃなく…


たぶん、大ちゃんも…。





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