空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜

おそるおそる振り返ったわたしたち。


大ちゃんと顔が間近になってるなんて、気にもならない。



そのまま、フリーズ。


微動だにできなかった。


たぶん、まばたきさえ…。



声の主がそこに…



腰に手を当てて、えばるように立っている。


ほんのり
空がかった白い着物…。

切れ長の開かれた瞳の色は、着物の色とよく似ていて、薄い青。



白髪の長い髪は、今まで見たことがないほど
艶めいていて、美しく光っていた。



すらりと大ちゃんよりも背が高いから青年にも見えるし、女性にも見える。


中性的なきれいな顔は、半端ない。




『なんやねん? その顔は? せっかく、出てきてやったのに――』



ふてぶてしそうに言う、彼…?




「ひ…ひああああ!!」

「ひ…ひああああ!!」





大ちゃんとわたしは、そろいもそろって、大声を上げた。