わたしの大絶叫が、山びこのように響いた。



「わ!声、でか」



大ちゃんが、耳をふさいで、とびのいた。


「だだだ、だって……!」


わたしは真っ赤になって言った。



「女の子が泣いたら、キスしてやるんやて、兄ちゃんが言ってたんや!」


大ちゃんも、顔を真っ赤にしながら言った。



「だ…だからって、女の子なら誰にでもするの?」

「するわけない!」



大ちゃんは、すぐに断言した。


ふたりして、ボボホッ!
と顔を赤くして黙り込んだ。




「も、もどろか?」