「とにかく早く服を着て。」と数馬が出してくれたのをまとめて持ち、トイレに入ろうとした。



「どこに行くんだよ。そこで早く着替えろ。」



なんで命令口調なの?



数馬がこっちを見るから、「駄目向こう向いてて!」



慌てたら、又巻いていたバスタオルが落ちる。



数馬が又近づいて来た。



「もう何してるんだよ。」



来ないでよ。後ざりをしたらよろけてしまい、



又数馬に抱き締められた。


もう私はどうしていいのか分からない。



数馬離してってばー。


そう言おうとしたら、「クッシュン!」



思い切りくしゃみが出た。


「バカ風邪ひくぞ早く服着ろ。」



もうどうでもいいや。私は数馬の存在を忘れる事にした。



何をどう着たのか何て覚えていない。



数馬がすぐそばにいたのは確かで、



「早くパンツ履け 。」の言葉に、私は思い切り数馬を蹴飛ばした。