ため息しか出ない。



何でこんな人の彼女なの?っうか私好きな人いるし。


まじうるさいんだけど。



私の好きな人。今はここにはいない。



私を置いてこの春家を出て行った。



私の好きな人は京一にいさん。血の繋がりはない。


京一は私が三歳の時うちに養子としてやって来た。



幼かった私はお兄ちゃんが出来たと大はしゃぎした。


血の繋がりなんてどうでも良かった。



たけど私は京一を兄としてでなく、一人の男性として見るようになっていた。



多分私の気持ちを京一は知っていたはず、たけど彼は必死に無視し続けた。



京一に彼女が出来た事もショックだったが、



彼女を毎日家に連れて来た時は、本当に辛かった。



自分の部屋でどれだけ泣いたか。



思い出すと今でも涙が溢れる。



私は数馬を無視して、ずっと窓から流れる雲を見ていた。