私たちは手を繋いだまま昇降口に向かい走った。



数馬の足の早さに付いていけない。



数馬が私を見て笑いだした。



「あずみ足遅すぎ。あずみ身長バカでかいのに何でそんなに遅い訳?」



あのさぁ。私が気にしてる事をそんなにはっきり言うかなぁ?



私の身長は167cmもある。おまけに手足も長い。なのに運動は苦手。



とくに走るのは、この身長なのにバカ遅い。



私の膨れっ面を見た数馬が「悪い悪い。」と謝る。



「もう人が気にしてる事はっきり言い過ぎ。」



「だからごめんって。あずみ気にするなって、俺は185cmあるからつりあうだろう。」



そう数馬といれば身長を気にする事はない。



「あずみ、自分に自信もてって背中丸くするな。あずみは美人だしスタイルはいいし。」



止めてよ。私はこの身長がコンプレックスなんだから、泣きそうになる。



手を繋いだまま見つめ合っていると、「佐伯森川遅刻だぞ。」と声をかけられた。



私たちはで手を繋いだまま慌てて昇降口に向かった。