私は何も言えなかった。



数馬を見ると悪いと言う顔をした。



数馬のお母さんは、有名なファションデザイナー。佐伯ミキ。



その佐伯ミキが私に立って回って見てと言うので、



言われたままに動く。



数馬が笑っている。



佐伯ミキが、「中々良いわね。使えそうだわ 。」



何が使えそうなのか?



私に何をさせたいの?



「母さんそれくらいにして、あずみが困ってるし。」


「ごめんごめん。あずみちゃんモデルになってみないかなぁ? 」



私がモデル?



私猫背だし、がに股だし無理。



「あずみちゃんその結んでいる髪全部下ろして、ここへ来て。」



私はミキさんに言われるまま、二つに結んでいた髪をほどいた。



そしてミキさんがいる、鏡の前に座った。



「あずみちゃんメイクした事ある?」



高校生にもなるとみんなしているが、私は苦手でしていない。



ミキさんが私にメイクし始めた。



数馬が困った顔をして、「あずみ大丈夫か?」



「数馬も驚くと思うよ。きっと惚れなおすから。」