ドアがノックされ京一が入って来た。



京一の切なそうな顔を見て、私の心が痛む。



何から話していいのか分からず、



ただ京一を見つめていた。


私は、「春奈さんは?」なんて今はどうでもいい事を聞いた。



京一は私の顔をまっすぐ見て、「帰ったというか?春奈とは別れたから。」



私は驚いた。



「何故?私のせいなの?」



「違うよ。それは俺が悪い、あずみを忘れ為に春奈と付き合ったし、春奈もそれは承知だったんだ。


親父からあずみとは本当の兄妹と聞かされた時、


信じられなかった。


親父を許せなかった。


俺はあずみをずっと愛して来たから、


今さら血の繋がった兄妹なんて言われても、どうしていいのか分からなかった。

苦しくてどうしていいのか分からなくて、あずみとはもう一緒に暮らせないと思った。


だから家を出て独り暮らしをして、春奈と同棲をした。


そうすればあずみを忘れられると思ったから。