不思議だった。

今までは急患の処置が終わった後は、ベッドに横になって休む事しか考えていなかった僕が、今はこうして君の様子を見に病室に来ている。

認めざるを得ないと思った。

どうやら僕は君が、気になって仕方がないようだ。と。

特別室の窓から、穏やかに晴れ渡る空を眺めながらふと考える。

立て続けに搬入される急患の処置に追われ、朝も昼も夜もわからない毎日を過ごして何年が経つ?

一体、いつ以来だろう?こんな青空を眺めたのは。

君の側で過ごすこの時間は、僕を穏やかな気持ちにさせてくれた。

君を特別室に移動させて良かったと、心から思った。

だから、僕はちっともわからなかったんだ。

まさか君が、そんな風に考えていたなんて。