あのお腹の痛みが、盲腸だったなんてわからなかった。

しかも救急車で運ばれたなんて、嘘でしょ?

でも、優衣がいてくれて本当に良かった。

優衣。ごめんね。心配かけたよね?

親友の優衣の顔を思い出したら、何だか喉の奥がツンと痛んだ。


「とにかくゆっくりと休みなさい。それからこの病院は完全看護だからお母さんは泊まれないの。夜9時まではここにいるからね。紫乃。」

「うん。わかった。ママ、心配掛けてごめんね。」


ついさっきまで優衣がいてくれた嬉しさと、ママがいてくれる安心感に包まれながら瞳を閉じる。

ありがとう。優衣。ママ。

瞳を閉じた私は、あっという間に眠りに落ちる。

おやすみなさい。