ようやく、6時限目までの授業を終えた帰り道。

校門を出た私と優衣は、いつもなら話に花を咲かせて駅までの下り坂を歩く。

でも、今日は話の花がちっとも咲かない。

その理由はただひとつ。私のお腹の痛みのせい。

下り坂に足を一歩進める度に響くお腹の痛みに、思わず立ち止りうずくまる。

そんな私を、心配顔で覗き込む優衣。


「紫乃?本当に大丈夫?」

「優衣・・・。痛い。痛いよ。」


額から滲むあぶら汗を感じた私は、この時になってこの痛みが普通じゃないと理解した。

襲い来る痛みにうずくまることすら、もう出来ない。

肩に掛けていた鞄が、ずるずると落ちていくのと同じように、私はその場に倒れ込んだ。