**葵**


「お疲れ様です。これから出前取りますけど、葵【あおい】先生も何か頼みます?」

いいな。新人は。僕は食事よりも、眠りたい。


「いや、いらない。何かあったら起して。」

「はい。わかりました。」


事務室の奥にある、仮眠室のベッドにダイブする。

干した事なんかないだろうと思う、ペッタンコの布団を掛けながら、僕はあっという間に眠りに落ちた。

夢なんか見ない。

こんな過酷な状況で夢なんか、見られるはずないんだ。

なのに、この日は夢を見た。