**紫乃** 良かった。碧と違うクラスで。 あんな事があったから、碧と顔を合わすのが嫌だった。 昇降口で上履きに履き替えていると、後ろから元気な声を掛けられる。 「おはよ!ねえ、紫乃?碧君とのおうちデートはどうだった?」 朝一で親友の優衣に聞かれて、やっと思い出す。 そう言えば初めてのデートに浮かれて、碧の家に向かう電車の中で優衣にメールをしたことを。 「優衣。」 大好きな優衣の肩に寄り添いながら、唇を噛み締めて涙を流す。 この涙は何の涙だろう? きっと悔し涙だと思った。