**紫乃**
碧のお兄さん?!
ええ?全然、似ていないんですけど?!
お兄さんの目も、鼻も。口もどこを見ても碧に似ているところがない。
そして私に向かって碧のしたことを謝る、誠実なお兄さんを見て思ったことは。
碧と正反対!
私を無理やりヤろうとした碧。
そんな私を助け、ハンカチを貸してくれて、泣き止むまで側にいてくれたお兄さん。
なんでこんなに、正反対なの?!
びっくりして言葉も出ない私に向かって、お兄さんは下げた頭を上げて、こう言い出した。
「でも君もその気もないのに、男の部屋に上がったリしたらダメだよ?男は狼なんだからね?わかったかい?」
男は狼?って。あの。お兄さんって、一体いくつ?


