**紫乃**


「え?葵先生?私。今すぐ結婚したい訳じゃなくて。まだ私、高校生だし。やっと進路を決めたばかりだし。」


驚いた!

私がついポロッと、先生との子供の話をしたら、こんな言葉が返って来るなんて・・・。

でも先生は将来、私にプロポーズしてくれるって約束してくれた。

嬉しい・・・。


「ああ?そ、そうか。なら、いいんだ。そうか、そうか・・・。」


先生はさっきより、さらに真っ赤になりながら、おでこに汗を掻いている。

そんな先生はやっぱり可愛くて、ついからかいたい気持ちが、込み上げてしまった。

後ろを向いてしまった先生の、シャツの裾を引っ張りながら、意地悪な質問を口にする。


「葵先生は男の子が欲しい?それとも女の子?」

「え?そうだな。元気な子ならどっちでもいいけど・・・。」

「けど?」

「その前に僕は・・・紫乃ちゃんが欲しい。」