**紫乃**


眠りに落ちた先生の、頬に伝う涙を拭う。

いつもは頼りがいがあって優しい先生が、こんなに打ちのめされるなんて・・・。

先生の心の痛みが、少しでも和らぐことを祈るしか、私には出来ない。


「先生。早く元気になってね。」


自分の想いを口にすると、私は眠る先生の頬にくちづけを落として、部屋を後にした。