**紫乃**


何で?私。泣いたのかな?

私の身体にシーツを掛けて、背中を向けた先生の後ろ姿を見て、涙を流してしまったことを後悔した。

ベッドから起き上がると、急いで先生の背中に抱き付く。


「葵先生。私、葵先生とならいいの。だから」

「ごめん。僕は紫乃ちゃんの身体で・・・。」

「だからいいって言っているでしょ?それで葵先生の辛さが減るのなら、私はそれでいい。」


本心だった。

私が先生のために出来ることなんか、何もない。

だから、先生が求めてくれるのなら、私は・・・。