**葵**
不意に唇を塞がれた。
君のキスは、まるで暖炉に火が点るように、暗く塞いでいた僕の心を温めてくれる。
もう、これだけで充分だった。
ひとりじゃない。
僕には君がいてくれる。
そう、思えたから。
なのに。僕の唇から離れた君は、驚く行動を取った。
制服のブラウスのボタンを上から外し、下着姿を僕に見せる。
どうして君が、突然そんな行動を取るのか、僕には理解出来なかった。
「紫乃ちゃん?」
「私。ずっと前から、葵先生とこうなりたかったの。それに私、先生を慰めるとか、励ますとか出来ないし。ごめんね。葵先生。」
君は頬を真っ赤に染めながら、健気な言葉を口にする。


