我に返った僕は、ベッドから身体を起こす。

でも、睡眠不足だったせいか、すぐに目眩を覚えた。

そんな僕に、君は素早く駆け寄ると、細い腕で身体を支えてくれた。


「葵先生?!」

「大丈夫。目眩がしただけ。あれ?制服?」

「うん。今日から新学期。」


ああ、そうか。

心配そうに僕の顔を覗き込む君を見て、やっと現実を思い出す。

君と会うのは久しぶり。

いいや。君の声を聞いたのも、いつ以来だろう?

あれだけ君に寂しい思いはさせないと、誓ったはずなのに。

僕は何て、いい加減な人間なのだろうか。