**葵**


今日は、仕事が休みの日だった。

ベッドで横になっても、眠れない日が続いていた僕は、この日もベッドの中にいた。

だけど、相変わらず眠れない。

瞳を閉じると、冷たくなってしまった小さな女の子が、浮かんでしまう。

自分の無力さに、苛まれ、ただ、ただ落ちて行く。

暗く、冷たい、ひとりきりの世界に。

その時。確かに聞こえた。

僕を呼び寄せる、温かい声を。


「葵先生?大丈夫?」


この声は、愛しい君の声。

どうして?ここに?