相変わらず立派な豪邸に、思わず足が竦む。
そんな私を、碧は玄関のドアを大きく開けて、招き入れてくれた。
「おい、福田。遠慮しねーで入れよ。」
「あ、うん。お邪魔します。」
「ん。こっち。」
軽い足取りで階段を上がる碧の後を、無言のままついて行く。
そして碧はあるドアの前で、立ち止まりノックをした。
「兄貴?いるんだろ?入るぞ。」
先生の返事を待たずに、碧がドアを開ける。
そこには。
ベッドに横になって、今にも崩れ落ちそうな、寂しい顔をしている先生の姿があった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…