マスカラぱんだ



**葵**


「碧。お願いだから止めて。」


休みの日にベッドでウトウトしていた僕の耳に届いたのは、この声。

実はこんなことは、今回が初めてじゃない。

碧の奴。また女連れ込んでいるな。と、ベッドに横になりながら思った。

そんな碧の行動に呆れつつ、喘ぐ女の声を聞かされるこっちの身にもなって欲しいと、心の中でぼやきながらベッドから重い身体を起こす。

そして“最中”の声を聞きたくなんかない僕は、どこかへ行って時間を潰そうと、財布と車のキーを手にして部屋を出ようとした。その瞬間。


「嫌ぁ!止めて!」


大きな叫び声が、耳を貫く。


おい、碧!?お前、何してんだ?