確かめたいと思った。
僕には見えない君の心の中には一体、誰がいるのかを。知りたい。
「あのさ・・・。福田さんは、碧をまだ好き。なの?」
ダメだ。もう心臓のドキドキが止まらない。
自分よりもかなり年下の女の子に、こんなことを聞いてしまうなんて。
僕は両手で自分の顔を、覆い隠したい衝動に駆られた。
そんなドキドキの僕に、君は小さな声で呟く。
「私は碧を好きじゃない。私が好きなのは」
君が好きなのは?誰?
自分の喉が、ゴクリと音が鳴ったのが聞こえた。
君の口から誰の名前が飛び出すのか。聞きたい様な。耳を塞いでしまいたい様な。
複雑な心境のまま下を向いている君を、じっと見つめる。
でも。そんな君が口にした言葉は。
「あの、先生?お見合いは?」


