**葵**
「先生?」
君は頬を赤く染めながら、パウダールームから恥ずかしそうに出て来た。
もうパンダでなくなった君を見たら、ホッとした気持ちが湧き上がる。
でも、本当に良かったよ。
碧とアレ。していなくて。
とにかく君から聞きたいことは、山のようにある。
「福田さん。こっちに来て座って。」
僕の言葉に君は小さく頷くと、俯きながらソファにちょこんと腰を下ろす。
もしかして照れているのか?可愛いな。
花柄のワンピースが君によく似合っていると、心の中で密かに思う。
あ。いけない。
思わず君の可愛さに夢中になってしまって、肝心なことを忘れるところだった。
君が座ったソファの隣に腰を下ろし、今日の出来事を思い返す。
しかし、どうしてこんなことになった?
「福田さん?今日のこと、教えてくれるかい?」
「・・・はい。」


