それでも僕の急ぐ気持ちを知ってから知らずか、エレベーターは各階止まりを繰り返す。

ちょっと!エレベーターさん!

頼むから、超特急で運行してはくれませんか?

早くしないと君が!

僕の頭の中には、碧にベッドに押し倒される君の姿が浮かぶ。

そんな嫌な想像を、頭を左右に振って薙ぎ払う。

どうか、間にあってくれ!

僕はエレベーターの7のボタンを、また強く人差し指で押した。