コイビトは

「7時までには戻ってくるから!」

ラヴィコはかばんをつかむと、部屋を出て行ってしまった。


「今日、練習日…なんですか? もしかして。すいません、邪魔しちゃって」


残された俺たちは複雑な心境だ。さっきまで、主にラヴィコが一人でしゃべっていて、俺は主に話しかけられていたから良いけど、ライとリディルルはだいぶ手持ち無沙汰だったのではないか。


「ああ、いいよ、音楽室使えるの7~9時で、もう少し待たなきゃいけないところだったから」


「むしろ、ラヴィコの話し相手になってくれてありがたいくらいだよね」


リディルルがそう言いながら立ち上がる。







俺の顔をじっと見た。




無表情。




にらんでいるようにも見えた。