コイビトは

「そういえば、文学部!」


ラヴィコが突然叫んだ。

「うん、そうだよ」

俺が言い終わらないうちに、ラヴィコは身を乗り出して、

「詩とか、書けないの?」

と聞いた。期待に満ちた目。



「詩…?」


「うん、あたしたち、曲は作れるけど、詩はあんまり得意じゃなくて、詩を書いてくれる人探してるんだ。

別に上手くなくても良いからさ、何か書いてみてよ、あたしたちが曲にしてあげる!」


あまりに急な話で、俺は言葉につまった。

たしかに授業で、詩を読んだりすることはあるけれど。




書いたことなんて、ない。