コイビトは

リディルルが帰ってきたのは、数分後。缶コーヒーを持ってきた。


「あれ、どうしたの」


俺たちが何も話していない(どころか、むしろ空気は気まずい)のを不思議に思ったリディルルは、入ってくるなりそう言った。


「リディルルを待ってたんじゃん! これから自己紹介するの」


そう言って、リディルルを座らせると、リーフの三人は、俺を囲むような形になった。面接か何かを受けているようだ。


ラヴィコが俺に向き直る。



「ごめんなさいね、で、あなたの名前は?」



「あ、ああ…薄田(ススキダ)です。


薄田ユギト」



「……」
「……」


「……?」


俺が名乗った瞬間、一瞬、微妙な沈黙が流れる。