コイビトは

それが、彼女が俺に向けて発した最初の言葉だった。




「えと」




そしてこれが、俺が彼女に対してはじめて放った言葉。



会話じゃねぇ。




「ね、ラヴィコ、このひとかな? 来たよ?」


リディルルは部室の方を振り返り、中にいるらしいラヴィコに声をかけた。


そうしたら、すぐにラヴィコが来て、


「どうぞ、入ってください~」


と、俺は引き入れられた。



部室まで入ってしまって、俺はいったいどうする気なのか…