コイビトは

その『ざわざわ』の正体を知りたかった。



同じ大学なんだし、知り合いになることはわりと簡単なことに思えた。

彼女たちが軽音楽部に所属していることも知っているんだし。




次の日、俺は早速、同じ学部の軽音楽部に所属しているヤツに声をかけた。


『リーフ』という名前でグループ活動をしている子たちを知らないかというと、彼は、軽音楽部は1学年約100人が所属していて、部長ですら、すべてのグループ名とメンバーを把握しているかどうか怪しいということで、彼も、自分以外のグループのことはほとんど知らないという答えだった。



俺は、何とかリーフというグループの練習が何曜日の何時からかを調べてもらうよう、頼んで、その代わりに、授業のノートを貸すことも約束した。



そんな会話をして、次の授業に行こうと思ったら、縣に呼び止められた。


「原田さんの誕生日のことだけどさ」