コイビトは

確かに、いくらなんでも何時間も聴き続ける俺はやりすぎだったかと、今になってものすごく恥ずかしくなった。


言い訳として、


「待ち合わせをしてるんだけど、相手が来なくて」とか
「他のミュージシャン目当てで来て、その人たちが来るのを待ってる」とか、考えていたけれど、次に彼女に


「昨日も、見ててくれてましたよね?」


と言われて、俺は何も言えなくなった。



「時間、大丈夫ですか? 終電とか…」



「あ…一応、0時の電車が終電だから、まだ大丈夫だよ。君たちこそ、大丈夫なの?」


「私たちは、この近くに…知り合いが住んでるので、そこに泊めてもらえるので…」


「そうなんだ」