コイビトは

それも、ある程度の距離があるならともかく、二人の距離はこぶしひとつ分くらいしか空いていない、本当に目の前、である。


…ラヴィコの身長は低いから、文字通り「目の前」ではなかったけど。


俺は、あまりの予想外な出来事に、とっさに何も言えなくて、



「!!!??」


目を白黒させるしかなかった。


「あのっ!」


ラヴィコが突然ぺこりと頭をさげたから、俺はさらに驚いた。



「あの! ありがとうございます。


私たちの曲、何時間も聴いてくれて」


「あ…えと」