コイビトは

俺はそんな歌を聴きながら、ずっとリディルルを見ていた。

だんだん遅い時間になると、人通りも少なくなってきて、足を止めてみているのは、もうほとんど俺だけになった。

俺はそこまでガン見していたわけじゃなくて、ケータイをいじったり(こういうときに限って誰からもメールが来ないから、ずっとウェブ画面を開いているだけだけど)他のグループを見たりしてもいたけれど、結局「リーフ」の前にずっといた。

さすがに、彼女たちも、俺がずっといることには気づいているだろう。
彼女たちの誰とも目が合ったりはしていないけれど。



……気味悪がられたり、してないよな。



あえて、俺を見ないようにしている、とかじゃないと良いんだけど。



そのうち、他のストリートのメンバーも帰り支度をはじめる時間になった。