星の数の恋よりも月と同じくらいの恋




「さ、行きましょうか」



お母さんはルンルン気分で車椅子に
わたしを乗せ押してくれた



「今日は特別に1時間のお散歩の
許可が出たの」

「本当に!?」

「もちろん、ねぇ、貴方」



お母さんとわたしがはしゃぎ気味に
会話してたら、いつものお父さんなら
会話に参加してくるはずなのに
今日は無言でついて来るだけで
さっきまで楽しい話しで
盛り上がってた雰囲気はまるでない…



「貴方?聞いてる?」




お父さんは黙ったまま…




フゥとお母さんは息を吐くと
お父さんに詰め寄った



「何か隠してるでしょ?白状なさい」

「言えない」

「貴方なに言ってるの!?
なにを隠してるの?」

「今は言えない」



あくまでもお父さんは言えないと
言い張り…
お母さんはどうしても聞こうとする…



「わたし達約束したじゃない、
隠し事はしないって…」



お母さんの言葉でお父さんは
観念した様で



「ふぅ…、話すよ…」





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