乙香ちゃんの手紙を読み終わり、
返事を書いての繰り返しを退院の日まで続けていた…
「悠諳、お前さ、
ちゃんとあの子には伝えたのか?」
「ちゃんと伝えたよ、
退院しても毎日手紙のやり取りする」
「マジかよ」
「あぁ」
少し呆れた様子の兄貴と親父…
「好きなんだからしょうがねぇーだろ!!」
「なら、早く伝えろよ
つかさ、病室まで行けばいいだろう」
「そうしたい、けど…」
「けど?」
「彼氏持ちなんだよ
相手は…」
「「はぁ!?」」
「彼氏好きじゃないんだって、なら、
俺にも望みがあるだろ?」
そりゃ、驚くと思うよ…
普通は諦めたりすると思うし、
だけど、なんか簡単には諦めたくないし
乙香ちゃんは彼氏を“好きじゃない”って
手紙に書いてあった…
単純だと思うけど、俺にも入る隙が
あるって思ってる…
それなら、待つ意味はあると思うから…
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