4月 中学校入学式

よしっ!髪の毛OK。制服のスカート丈も短すぎないっと…。
これで完璧やぁ!

逢華は準備を完璧に終わらせて入学式の45分前に家を出た。

よしっ!今日から中1や。
張り切って家を出て少し歩いたくらいに聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。


「おっはよ!逢華ー。」

この子は、6年生のとき同じクラスだった真菜実。
色黒で髪はセミロング。
動けるおデブちゃん。

「あっ真菜実ー。おはよう!」

そんな挨拶をかわしながら真菜実は逢華のとなりに並んで見慣れない中学校への通学路を歩く。

「今日の入学式楽しみやわぁ…。イケメンの先輩おるかなぁ?」

真菜実はそう言いながら道に落ちている小石を蹴っ飛ばす。

「あんたそれより気にしなアカン事あるやろ!クラスとかクラスとかクラスとか!」

「は?クラス?そんなん気にしても無駄やって。なぜならうちと逢華は絶対に同じクラスだからー。」

真菜実はそう言って胸を張っている。
はぁ…。もう友達1人もおらんクラスなったらどうしよう…。
逆に何で真菜実はこんな自信満々やねん!

「〜〜っもう!」

逢華はなぜか無性にムカついてきて真菜実の頭を軽く叩いた。

「いったいなぁ!もう!ホンマに大丈夫やって。」

そんな会話をしているうちに2人は中学校に着いた。

2人はお世辞にも綺麗とは言えない校舎を見ながら体育館へと向かう。

早めに家出たつもりやったのに結構人来てるなぁ…。

そんな事を考えながら体育館を見ていると真菜実に肩を叩かれた。

「逢華!クラス表あるで。見に行こう。」

逢華は真菜実に手を引っ張られ人混みを押し退けてクラス表の前に立った。

1組…じゃないみたいやなぁ。
2組…も違う。
3組は…。

「逢華!逢華逢華!」

3組の表を見始めたとき真菜実に背中をバンバン叩かれた。

「痛いっ!どうしたんさ?」

逢華はそういって3組の表から目を離した。
真菜実を見ると逢華の方を見て不気味な笑みを浮かべている。

「何なんその笑いは?うちまだ自分の名前見つけてないねんけど。」

逢華がそう言うと真菜実はにやけながらクラス表を顎で指している。